故人が望んでいた『海洋散骨』をしてあげたいけれど、どうしても船酔いが心配。
自分で車を運転すると酔わないのに、他の人の運転だともうダメ。
そんな私が1時間以上も船に乗って、無事に散骨できるのかな・・・?
あなたのように【海洋散骨をしたいけど船酔いが心配】という人はとても多いです。
じつは私も乗り物酔いをしやすく、油断をすると新幹線に乗っていても酔うくらいなんです。
乗り物酔いの対処法はたくさんあり、それらを組み合わせることで、海洋散骨の船酔いを軽減あるいは抑えることができます。
本記事では、海洋散骨で船酔いをしないための効果的な対処法を16個紹介しています。
船酔いをすることなく散骨に集中できるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
どの方法も簡単にできるものばかりですよ。
船酔いをする人は海洋散骨ができないの?
日頃から乗り物酔いをしてしまう人にとって『船に乗ること』は恐怖です。
船に乗ると上下前後左右のあらゆる方向に大きく揺られますので、船酔いでダウンしている自分の姿が容易に想像できることでしょう。
では、船酔いをする人は海洋散骨ができないのでしょうか。
また、そもそも船酔いをしてしまう原因は何なのでしょうか。
海洋散骨は誰でもできる
船酔いをするからといって、海洋散骨業者に乗船を断られることはありません。
船酔いをする・しないに関係なく海洋散骨は誰でもできます。
しかし、船酔いをしやすいなら、事前に業者へ「船酔いをするかもしれません。」と伝えておくことが大事です。
一般的には、遺骨をまいた後に散骨場所周辺を何度か周回してから帰りますが、1つの家族だけで船を貸し切る場合に限り、それを省略するなど早めの帰港に努めてくれるでしょう。
また、あまり遠くまで船を出さずに比較的陸から近い場所で散骨をするなど、ある程度は柔軟に対応をしてくれます。
とはいえ、散骨場所が陸から近すぎると、近隣住民、漁業関係者、観光業関係者とトラブルになるので、必要最低限の距離は移動しなくてはいけません。
海洋散骨をするときは、とにかく《人に見られないように配慮》しなければならないのです。
自治体によっては条例で【陸から散骨場所までの距離】を定めているところもあります。
海洋散骨のルールや条例については別記事の『海洋散骨は違法じゃない。散骨のルールや自治体の条例を紹介』を読んでみてください。
船酔いをしてしまう原因
波に揺られる船に乗って、すぐに酔ってしまう人がいれば、漁師さんたちのように平気な人もいます。
あなたや私が【乗り物酔い】をしてしまう原因は何なのでしょう。
『体の感覚の情報』と『視覚の情報』のズレが原因
船酔いなどの乗り物酔いをするのは、小脳に伝わる『体の感覚の情報』と『視覚の情報』がズレてしまうことが原因です。
私たちは『三半規管』の働きによって体の傾きや揺れを感じとり《体の感覚の情報》を小脳へ伝えています。
そして、目で見たものは《視覚の情報》として小脳へ伝えています。
小脳は《体の感覚の情報》と《視覚の情報》を総合的に判断し、体を安定した状態に維持しているのです。
しかし、船に乗ることで三半規管は普段にはないような揺れを感じ続けて混乱し、目から入る情報とのズレが生じます。
体の感覚と視覚がズレてしまった異常な情報が小脳へ伝わることで、自律神経のバランスが崩れ、それで酔ってしまうのです。
不安や緊張などの心理的な要因
船酔いをしてしまうのは、不安や緊張などの心理的な要因もあります。
あなたは乗り物に乗るとき「また酔ったらどうしよう、ていうか、絶対酔っちゃうよ。」と思っていませんか?
一度でも乗り物酔いを経験すると、それがトラウマのようになり、飲み物に乗るたびに不安や緊張などの心理的な負担がかかります。
その結果、自律神経のバランスが崩れて酔ってしまうんです。
そして、乗り物酔いを何度か繰り返すうちに『自分は酔いやすいんだ』と自己暗示をかけてしまい、酔うまでの時間がどんどん早くなっていくんですよね。
私自身の経験からしても、乗り物酔いをするのは心理的な要因が大部分だと思っています。
『病は気から』ですね。
船酔いの効果的な対処法16選
遺骨を海にまいたら二度と戻りません。
やり直しができない散骨を船酔いで台無しにしたくないですよね。
そのためには効果的な船酔い対策をする必要があります。
ここからは船酔い対策として効果的な方法を16個紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、16個の対策のうち1つだけやるのではなく、複数個を組み合わせる、あるいは16個すべてをやるとより効果的ですよ。
当日の天候を確認する
船酔いをしないためには『当日の天候を確認する』ということが大事です。
散骨をする数日前からちゃんと天気予報を確認しておきましょう。
船酔いするかどうかは【揺れの大きさ=波の高さ】が大きく影響し、波が高ければ船が大きく揺れますし、波が低ければ揺れも少ないです。
天気予報を確認しておけば、散骨当日の波の高さも分かるため、ある程度の予測や覚悟ができます。
ある程度の予測がつけば心の準備ができるので船酔いも軽減されます。
事前に天気予報を確認し、心の準備をしておきましょう。
前日は飲酒や脂っこい食事を避ける
船酔いをしないために『前日は飲酒や脂っこい食事を避ける』というのが有効な方法です。
お酒を飲むとき、軽く飲むだけのつもりが、結局は普段通りに飲んでしまいませんか?
飲酒の量や体調によっては翌日までお酒が残ってしまいます。
また、脂っこい料理を食べた後はしばらく胃がムカムカして、それが翌日まで続くこともあります。
お酒が残ったり胃がムカムカしていると、それだけで十分に気持ち悪いですよね。
そんな状態で船に乗ったらすぐに船酔いしますよ。
前日の夕食は、飲酒を控える(ちゃんと量を少なくする)、そして胃に優しいものを食べてください。
エチケット袋を用意しておく
何事も【備えあれば憂いなし】です。
どんなに船酔いの対策をしていても、当日の体調次第では酔ってしまうこともあります。
そんなときのために『エチケット袋』を用意しておくといいですよ。
念のためにエチケット袋を用意しておけば、「もしも船酔いをしても大丈夫」という安心感があり、少しだけ精神的な余裕が生まれます。
乗り物酔いは精神的なストレスが大きく影響するので、できる限り、どんなに小さなことでも不安を取り除いておきましょう。
よく睡眠をとる
船酔いをしないためには、しっかりと体調を整えておくことが大事です。
そのためには『よく睡眠をとる』ということが重要になってきます。
寝不足は心身ともに不調の原因となるので、睡眠というのは本当に大事。
とはいえ、散骨の前日はなかなか眠れないかもしれないので、普段よりも1時間くらい早く布団に入るようにしてみてください。
たとえ眠れなくても布団から出ないで目を閉じておきましょう。
体を圧迫するようなベルトや衣服を避ける
船酔い対策として『体を圧迫するようなベルトや衣服を避ける』ことも大事です。
あなたは【乗り物酔いをしたときにベルトを緩めるとラクになった】という経験はありませんか?
腹部の圧迫が解放されると呼吸もしやすくなり、気持ち悪さもだいぶ軽減します。
乗り物酔いをしているときはちょっとした刺激にも敏感になりますので、できるだけ体への負荷をかけないようにしておくことが大事です。
私の場合、乗り物酔いには『腹部の圧迫』が1番よくないので、長距離バスや船に乗るときには最初からベルトを緩めていますよ。
次によくないと思うのが『首への圧迫』なので、タートルネックは着用しない、移動中はネクタイなどを外すということを心がけています。
船に乗るときは、できる限り圧迫感を取りのぞきましょう。
出発前に消化のよいものを少しだけ食べておく
船酔いをしないためには『出発前に消化のよいものを少し食べておく』ことも大事です。
乗り物酔いをしやすい人は、つい【吐いてしまったとき】のことを考えますよね。
そのため「吐くものを無くすために、何も食べない方がいいよね。」と思いがちです。
しかし、空腹でも満腹でも乗り物酔いを誘発するとされています。
空腹だと血糖値が下がって気分が悪くなり、満腹だと膨らんだ胃が大きく揺れるので乗り物酔いをしやすくなります。
ですから、出発前に消化のよいものを少しだけ食べておくのがベストなんですよね。
ただし、みかんなどの柑橘系や酸っぱいものは胃を刺激して活発化させてしまうため避けた方が無難です。
出発前には、バナナ、おにぎり、サンドウィッチなどを少量、または飴やチョコレートなど、胃への負担が少ないものを食べておきましょう。
酔い止め薬を飲む
船酔い対策には、やはり『酔い止め薬を飲む』というのが最も効果的です。
出発時間の30分前くらいに軽い食事をし、そのタイミングで酔い止め薬を飲んでおくといいですよ。
酔い止め薬を飲めば、身体的な効果があるだけでなく、心理的にも大きな効果があります。
酔い止め薬を飲むと、薬の中に含まれる【抗ヒスタミン成分】の作用により嘔吐中枢への刺激伝達を遮断し、吐き気などを抑えてくれます。
また、「薬を飲んだからもう大丈夫。」という安心感が生まれ、心理的なストレスも軽減されるので、船酔いが心配なら酔い止め薬を飲んでおきましょう。
乗り物酔い対策に『酔い止め薬』を飲むのは必須ですね。
事前に【散骨の所要時間】を聞いておく
船酔いが心配なら、事前に【散骨の所要時間】を聞いておくといいですよ。
所要時間が分かっていれば、何となく心の準備ができます。
乗り物酔いをすると「あとどれくらいの時間乗っていなきゃいけないの?早く目的地に着いてくれないかな。」と思いますよね。
酔っているときに『終わり』が見えないのは心理的にかなりキツいです。
でも、ある程度『終わり』が見えていればなんとか頑張れると思いませんか?
全体的な時間の予測がつけば安心できるので、意外と酔わなかったりしますよ。
ちなみに、海洋散骨の所要時間はだいたい【1時間~2時間】ですから、本格的に酔う前に寄港しているかもしれませんね。
誰かと話をする
船酔いは、誰かと話をすることで軽減できます。
乗り物酔いをする人は『酔ってしまうかも』ということばかりを考えてしまいます。
酔うことの心配ばかりをしていると本当に酔ってしまいます。
だったら、酔うことを考えない状況にすればいいんです。
それには、誰かと話をするというのが効果的。
意識が会話の方に向かえば、酔うことを考える時間が少なくなります。
移動中ずっと誰かと会話をしていれば、あっという間に目的地に到着し、あっという間に寄港していますよ。
しかし、一度酔ってしまうと、誰かに話しかけられても返事をしたくなくなりますよね。
酔ってしまったら、無理に話をせずにラクな姿勢を維持してください。
なるべく船の中央にいる
船酔いをしないためには、なるべく『船の中央』にいるのがコツです。
乗り物酔い対策は、とにかく【位置取り(ポジショニング)】が重要。
船には揺れの大きい場所と小さい場所があり、もちろん揺れの小さい場所の方が酔いにくいです。
船首は進行方向の景色がよく見えていいのですが、揺れが1番大きいので注意です。
また、反対側の船尾にはエンジンがあり、揺れは少なくても排気などのニオイがしますので、あまりおすすめできません。
揺れが最も小さい場所は『船の中央』で、なおかつ余計なニオイもしないので居場所としてはベストです。
偏光サングラスをかける
船に乗るときは『偏光サングラス』をかけると酔いにくいです。
乗り物酔いには【視覚の情報】が大きく影響しています。
普段の生活にはないような刺激、または強い刺激が目から入り続けることによって小脳が混乱し、その結果自律神経が乱れて酔ってしまうのです。
海の上というのは、太陽光が波に乱反射してキラキラと光って見えますが、これが普段にはない強い刺激となり船酔いの原因となってしまいます。
そのため、偏光サングラスをかけて必要以上の光を遮断することで、脳への刺激を減らして酔いにくい状態にするわけです。
強い光を遮断すれば、船酔いだけでなく目にも優しいですよね。
できるだけ遠くを見る
船に乗っているときは、できるだけ遠くを見るようにしてください。
これは自動車に乗っているときも同じですが、酔いやすい人は近くを見てはいけません。
移動中にスマホなどを見たくなりますが、数分間見ているだけで気分が悪くなるでしょう。
船の揺れを感じている体と、近くを見ている目の情報とで感覚のズレが生じ、その結果酔ってしまいます。
ですから、遠くを見ることで、体が感じる揺れと視覚の情報のズレを少なくすれば酔いにくいのです。
せっかくなので近くではなく船上から見える広い景色を楽しんでください。
できるだけ進行方向を見る
船に乗っているときは、できるだけ進行方向を見るといいですよ。
進行方向を見ていれば、ある程度は【船の動き】を予測できます。
ただし、進行方向を見るときは《なるべく体ごと進行方向へ向ける》ようにしてください。
首だけを進行方向に向けると、首が疲れてしまい気分が悪くなることがあります。
船酔いを防ぐには、わずかなストレスでも無くすことがとても大事です。
コーラを飲む
じつは『コーラ』を飲むことも船酔い防止に効果的です。
まず、乗り物酔い防止のためには【炭酸飲料】を飲むのがおすすめ。
炭酸水に含まれる成分が自律神経の乱れを整え、胃腸の機能を整えてくれます。
また、カフェインには不快感を軽減し感覚の乱れを整えてくれる作用があるため、乗り物酔いを防止するために《カフェインを含む飲料》を飲むといいんですよね。
そうすると、船酔い対策におすすめの飲み物が『コーラ』です。
コーラなら炭酸水ですし、さらにカフェインも含んでいます。
ただし、カフェインには利尿作用があるため飲みすぎには注意です。
基本的には外に出ておく
船酔いをしないために『基本的には外に出ておく』ということが大事です。
船によっては客室がありますが、できるだけ客室を利用せず外に出ておきましょう。
外に出ていれば、海の状況が分かりますので、船の動きをだいたい予測できます。
また、外の新鮮な空気を吸えば、開放的な気分になるので酔いも軽減されますよ。
ただし、外に出るので【日焼け止め】は塗っておいた方が無難です。
もちろん、雨が降ってきたら、濡れないように客室に入ってください。
酔っても仕方ないと諦める
じつは『酔っても仕方ないと諦める』ということも船酔い対策になります。
乗り物酔い対策はいろいろありますが、それでも酔ってしまう人もいます、私のように。
どんなに対策をしても、酔うときは酔うんですよね。
ならば、できる限りの対策をしたうえで「これだけやって、それでも酔ってしまったら仕方ない。」と諦めてしまいましょう。
一度乗り物酔いを経験すると、その後は乗り物に乗るたびに「酔いたくない。」という心理的ストレスがあるんですよね。
そして、そのストレスがまた乗り物酔いを誘発してしまい、負のループに陥ります。
だったら、酔うことに抵抗せず、やるべき対策をした後は開き直ってしまえばいいんです。
開き直ってストレスを減らせば、意外と酔わなかったりしますよ。
たまに「もしも酔ったら眠ってしまえばいい。」という人もいますが、眠るなんて無理。
というのも、私の場合は、酔ったときに目を閉じると余計に気分が悪くなるからです。
何も見えない状況で体が揺れているのはとても不快なので、眠るという選択はしない方が無難です。
どうしても船酔いが気になるなら代理散骨をする
ここまで海洋散骨で船酔いをしないための対処法を16個紹介してきましたが、どれもそんなに難しい方法ではなかったと思います。
もしも16個すべてを実行できれば、たぶんあなたは船酔いをしませんよ。
しかし、どうしても船酔いが心配な場合は、散骨業者へ依頼し『代理散骨』をしてもらう方法もあります。
代理散骨なら、業者に散骨を代行してもらえるので、あなたが船に乗ることなく海へ遺骨をまくことができます。
しかも、あなたが乗船しないので、その分だけ費用も安く抑えられます。
ただし、散骨を代行してもらうので、遺骨のまき方や散骨場所などを細かく指定できません。
また、大切な人の遺骨がちゃんと適切に扱われているかを現場で確認することもできません。
とはいえ、ちゃんと優良な業者を選んでおけば、安心して散骨を任せられます。
今はスマホやパソコンでいろいろと調べられますので、事前にじっくりと海洋散骨業者を選んでおきましょう。
まとめ
海洋散骨をするデメリットの1つが『船酔い』です。
せっかくの海洋散骨が船酔いで台無しにならないよう対処法を知っておきましょう。
船酔いの対処法は以下のとおり16個あります。
- 当日の天候を確認する
- 前日は飲酒や脂っこい食事を避ける
- エチケット袋を用意しておく
- よく睡眠をとる
- 体を圧迫するようなベルトや衣服を避ける
- 出発前に消化のよいものを少しだけ食べておく
- 酔い止め薬を飲む
- 事前に【散骨の所要時間】を聞いておく
- 誰かと話をする
- なるべく船の中央にいる
- 偏光サングラスをかける
- できるだけ遠くを見る
- できるだけ進行方向を見る
- コーラを飲む
- 基本的には外に出ておく
- 酔っても仕方ないと諦める
どれもさほど難しくはありませんので、やれることは全部やってみてください。
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