- 海洋散骨証明書とは何か
- 海洋散骨証明書は何に使用するのか
海洋散骨をすると、ほとんどの業者は『海洋散骨証明書』を発行してくれます。
でも、 発行された海洋散骨証明書をどうすればいいのか分かりませんよね。
証明書なので、どこかへ提出あるいは提示をしなくてはいけないのでしょうか?
本記事では海洋散骨証明書の基本的な知識について現役僧侶の私が分かりやすく解説しています。
海洋散骨に興味のある方は予習のつもりで最後まで読んでみてください。
海洋散骨証明書とは何?
海洋散骨証明書は、その名のとおり『遺骨を海へまいたことを証明する書類』で、散骨後に業者が発行してくれます。
海洋散骨証明書を確認すれば、誰の遺骨が、いつ、どこで、どのように散骨されたのかが分かります。
また、海洋散骨証明書を発行してもらうことで、遺骨が適切な方法で海へまかれたことが証明されるのです。
ただし、ごく一部の業者では海洋散骨証明書を発行しないところもあるので、申込みをする前に確認をしておきましょう。
ちなみに、海洋散骨証明書を紛失した場合、ほとんどの業者は再発行をしてくれますでご安心ください。
ただし、再発行についても、ごく一部の業者では断られることもあります。
海洋散骨証明書は何に使うの?
業者から発行された海洋散骨証明書ですが、それを何に使うのか分かりませんよね。
証明書なので、どこかへ提出あるいは提示しなくてはいけないのでしょうか?
海洋散骨証明書はどこにも提出や提示をする必要はない
海洋散骨証明書は、何かで使用することはありません。
証明書なので、「どこかへ提出したり提示しなくてはいけないの?」と疑問に思う人は多いんですよね。
でも、じつは、海洋散骨証明書は火葬許可証や改葬許可証などのような公的な書類ではないのです。
そのため、散骨した後で市区町村役場への提出あるいは提示する必要がありません。
もちろん、役所以外の場所へ提出したり提示することもないですよ。
海洋散骨証明書は、故人の遺族や親戚などが【いつどこへ遺骨を散骨したのか】を確認するためだけの書類です。
しかし、海洋散骨したことを証明してくれる唯一の書類なので大切に保管しておきましょう。
火葬許可証などの書類と一緒に保管しておけばよい
海洋散骨証明書は遺骨に関する他の書類と一緒に保管をしておきましょう。
遺骨に関する書類には、
- 火葬許可証:火葬をする前に役所が発行する書類
- 分骨証明書:火葬後に遺骨を分けた後に火葬場または墓地の管理者が発行する書類
- 改葬許可証:遺骨を他の場所へ移すときに役所が発行する書類
- 埋葬証明書:墓地から遺骨を取り出して施主へ渡すときに墓地の管理者が発行する書類
などがあります。
これらはどれも遺骨を管理する上で重要な書類です。
誰でもすぐに探し出せるように、上記の遺骨に関する書類と一緒に海洋散骨証明書を保管しておきましょう。
とはいえ、書類というのは、どんなに注意をしていても紛失することがあります。
なので、念のために大切な書類はすべてスマホやデジカメなどで撮影しておくといいですよ。
仮に原本を無くしても、デジタル保存をしておいた画像のおかげで記載内容は確認することができます。
海洋散骨証明書に書かれている内容
ここからは海洋散骨証明書に記載されている内容について紹介します。
故人の氏名
海洋散骨証明書には『故人の氏名』が記載されています。
ときどき【漢字の誤り】があるのでしっかりと確認をしてください。
誤りがあった場合はすぐに業者へ連絡し、正しい証明書を再発行してもらいましょう。
散骨をした日時
氏名の下には『散骨をした日時』が記載されることが多いです。
ほとんどの場合は【△△年◯◯月◯◯日◎◎時▲▲分】といったように、詳しい日時が記載されています。
散骨をした場所
海洋散骨証明書には『散骨をした場所』が記載されています。
【◯◯湾沖】といったような大体の場所だけではなく、より具体的に【緯度】と【経度】まで記載されています。
多くの船には、船の現在地が分かるようにGPS(全地球測位システム)が搭載されており、これのおかげで散骨をした具体的な場所が分かるのです。
具体的な場所が分かれば、数年後に船上供養(メモリアルクルーズ)をするときに正確な散骨場所で行うことができます。
《関連記事》:【僧侶目線で解説】海洋散骨のときには船の上でも供養ができるのか。
気温や水温
業者によっては、散骨をしたときの『気温や水温』を海洋散骨証明書に記載しているところもあります。
これによって、散骨されたときの状況がさらに詳しく分かります。
ただし、すべての業者がここまでの情報を記載しているとは限りません。
散骨時の写真
海洋散骨証明書には『散骨時の写真』が載っていることもあります。
散骨時の様子がしっかりと分かるだけでなく記念写真にもなるので、とてもありがたいサービスです。
ただし、すべての業者が『散骨時の写真』を載せているわけではありません。
申込みのときに確認をし、このサービスがあれば申し込んでおきましょう。
まとめ
海洋散骨をすると、ほとんどの業者は『海洋散骨証明書』を発行してくれます。
海洋散骨証明書は公的な書類ではないため、役所などに提出または提示する必要はありません。
海洋散骨証明書は、故人の遺族や親戚などが【いつどこへ遺骨を散骨したのか】を確認するためだけの書類です。
しかし、適切な場所と方法で散骨されたことを証明する書類なので、紛失をしないよう大切に保管をしておきましょう。
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