【遺骨のカビ対策】骨壺の中の遺骨にはカビが生えるので要注意!

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『遺骨のカビ』どう対策すればいいの?

家族の遺骨は、お墓へ納骨せず自宅に置いておきたいですよね。

あるいは、海洋散骨などをして、遺骨の一部だけを自宅に置きたいという人もおられるでしょう。

遺骨を家で保管することは何の問題もありません。

しかし、保管の方法が悪ければ遺骨にカビが生えることがあるので注意が必要です。

この記事では、僧侶歴25年以上の私が『遺骨のカビ対策』について解説しています。

紹介している方法はどれも簡単なものばかりなので、ぜひ試してみてください。

ちょっき

大切な人の遺骨をカビから守りましょう!

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遺骨にはカビが生える

家族の遺骨を自宅で保管しておきたいという人はとても多いです。

そして、そのような人の中には意図せず遺骨にカビを発生させてしまう人もいます。

遺骨は、保管方法が悪ければカビが生えることがあるので十分に注意しましょう。

カビが生えてしまう原因は、ご存じのとおり【高温】と【多湿】と【栄養分】が揃うことです。

なので、これらの条件を満たす《梅雨から秋》にかけては、他のものと同じように遺骨にもカビが発生しやすくなります。

しかし、遺骨の色が《白色》ではないからといって、それがカビであるとは限りません。

遺骨には、棺桶で使用した金属、すす、副葬品から出た成分など、いろんなものの色が着いています。

その中でも特にカルシウムの沈着なんかはカビと誤解しやすいです。

とはいえ、ちょっと油断をするとすぐに発生してしまうのがカビの厄介なところ。

大切な家族の遺骨ですから、カビが生えないようにしっかりと対策をしておきましょう。

骨壺の中の遺骨にカビが生える理由

カビが生えやすくなる条件は、

  • 高温(20℃~30℃)であること
  • 多湿(80%以上)であること
  • 栄養分があること

です。

これらの条件をふまえ、ここからは遺骨にカビが生えてしまう具体的な理由を紹介します。

骨壺を桐箱から出している

遺骨にカビが生えやすい理由の1つに『骨壺を桐箱から出している』ということが挙げられます。

火葬をした後は遺骨が入った骨壺を渡されますが、このとき、骨壺は『桐箱』に入った状態で渡されます。

骨壺を桐箱に入れるのは、《骨壺を衝撃から守る》ということの他に《湿気を調整する》という理由があるのです。

なので、自宅で骨壺を保管するときは、できるだけ桐箱に入った状態で保管するのが望ましいです。

とはいえ、窮屈そうな桐箱から骨壺を出してあげたいと思うのが遺族の心情。

そうすると、骨壺が外の湿気に触れるのでカビが生えやすくなってしまうんですよね。

日当たりの良い場所に置いている

骨壺を『日当たりの良い場所』に置いていると遺骨にカビが生えやすくなります。

日当たりの良い場所に骨壺を置くと、日差しによって温められた骨壺内で【結露】がおきやすくなるのです。

骨壺が温められると水分が飛んで乾いてくれそうに思えますが、実際はそうではありません。

骨壺が温められると、骨壺の外側と内側の温度差が大きくなり、これによって結露がおきます。

結露で発生した水分が遺骨に吸収され、そこからカビが生えてしまうんです。

骨壺のフタを一度でも開けた

骨壺のフタを一度でも開けた場合はカビが生えやすくなります。

高温で火葬された後の遺骨はほぼ《無菌状態》になっており、その遺骨をすぐに骨壺へ納めます。

しかし、後になって骨壺のフタを一度でも開けると、骨壺内に外気が入り込み、一緒に《カビの栄養分となるもの》も入ってしまうのです。

そうすると、高温・多湿・栄養分という条件が揃ったときにカビが発生してしまいます。

大切な人の遺骨をもう一度見たいと思う気持ちはよく分かりますが、骨壺を開けない方がカビ発生のリスクは下げられます。

遺骨を素手で触った

遺骨を素手で触るとカビが生えやすくなるので要注意です。

私たちの手には、菌、皮脂、体液、角質などの【カビの栄養分】となるものがたくさん付着しています。

その手で遺骨を触るわけですから、当然ながら遺骨にも【カビの栄養分】が付着します。

そこへ高温と多湿が加われば、あっという間にカビが生えてしまうんですよね。

なので、基本的には遺骨を触らないようにしましょう。

どうしても触りたいときは、手袋を着用したり、布などの上から触るなど、素手で触れないように注意してください。

骨壺の遺骨のカビ対策

遺骨を自宅で保管するときは、カビが生えないようにしっかりと対策をしましょう。

骨壺の遺骨のカビ対策としては、

  • 直射日光に当てない
  • 風通しが良く、湿気の少ない場所に置く
  • 家族がよく通る場所に置く
  • 桐箱に入れて保管する
  • 密閉性の高い骨壺を使用する
  • 骨壺のフタの裏に乾燥材を貼り付ける
  • 遺骨を真空パックに入れる

などの方法がありますので、できるものから試してみてください。

直射日光に当てない

骨壺は日当たりの良い場所に置くとカビが生えやすくなります。

ということは、逆に骨壺を直射日光に当てなければカビが生えにくいんですよね。

ときどき「故人を明るい所に置いてあげたい。」と言って、骨壺を窓の近くに置く人がいますが、それはヤメた方がいいでしょう。

骨壺が直射日光に当たって暖められると、骨壺の外と内との温度差が大きくなり【結露】が起きてしまいます。

その結果、骨壺の遺骨にカビが生えますので、直射日光が当たる窓の近くは骨壺の保管場所として不適切です。

もちろん、窓の近く以外の場所でも、とにかく『骨壺を直射日光に当てない』ようにしましょう。

風通しが良く、湿気の少ない場所に置く

骨壺は『風通しが良く、湿気の少ない場所』に置きましょう。

カビが生えやすいのは《湿気の多い場所》なので、逆に骨壺の周りの湿気が少なければカビは生えません。

湿気の少ない場所というのは、ほとんどが風通しの良い場所です。

風通しの良い場所には湿気がたまらないので、それだけカビも生えにくくなります。

だから、骨壺は『風通しが良く、湿気の少ない場所』に置くのが理想的。

とはいえ、どうしても風通しの悪い場所にしか骨壺を置けないこともありますよね。

そのような場合は、骨壺の周辺に【乾燥剤】を置いておくといいですよ。

見た目は悪いかもしれませんが、ボックスタイプの除湿剤を骨壺の近くに置いておけば、ある程度はカビの発生を抑えられます。

家族がよく通る場所に置く

家によっては《風通しが良くて湿気の少ない場所》があまりないかもしれません。

その場合は、骨壺を『家族がよく通る場所』に置くといいですよ。

家族がよく通る場所は、空気がいつも動いているので湿気がたまりにくいです。

湿気がたまりにくい場所はカビも生えにくくなりますので、骨壺の保管場所として適しています。

また、家族がよく通る場所ということは、日頃から家族の目に触れるということです。

家族にとっては故人を近くに感じられますし、もしかすると故人もそれを喜んでいるかもしれません。

桐箱に入れて保管する

骨壺は【桐箱】に入れて保管するといいですよ。

火葬場で収骨が終わると、骨壺は桐箱に入った状態で渡されることが多いです。

帰宅したら骨壺を桐箱から出してもかまいませんが、桐箱に入れて保管しておく方がカビは生えにくくなります。

桐は湿気を調整する木材なので、桐箱の中に湿気がたまるのを防いでくれます。

すでに桐箱を処分していたら、スギ・ヒノキ・ヒバなどの針葉樹の木材で作られた木箱に入れても大丈夫です。

密閉性の高い骨壺を使用する

遺骨にカビを発生させないために『密閉性の高い骨壺』を使用するのも有効な方法です。

骨壺を木箱から出して保管したいという人もいますよね。

しかし、木箱から出すと骨壺が湿気にさらされて、場合によってはカビが生えてしまいます。

ならば、フタがしっかりと閉まる『密閉性の高い骨壺』を使って、骨壺内に湿気が入らないようにすればいいんです。

一般的な骨壺は、上からフタを被せるだけですが、フタを回転させて閉める【ネジ式】タイプであれば骨壺の中に湿気が入りにくいです。

ただし、ネジ式タイプの骨壺はインターネットなどから自分で購入しなくてはいけないので、別に費用がかかり

ます。

骨壺のフタの裏に乾燥剤を貼り付ける

ネジ式タイプの骨壺を購入をしない場合は、少し原始的ですが『骨壺のフタの裏に乾燥剤を貼り付ける』という方法もあります。

どうしても骨壺内に湿気が入ってしまう場合は、骨壺内に乾燥剤を入れて中を無理やり乾燥させてしまうんです。

じつは、骨壺用の乾燥剤というのがあり、これはインターネットで販売されていますので誰でも購入できます。

使い方は非常に簡単で、骨壺の中に乾燥剤を入れるだけ。

でも、ときどき「乾燥剤に触れた遺骨が変質(または変色)しないか心配だ。」という人もいます。

そこで、乾燥剤が遺骨に触れないように、フタの裏にテープか何かで乾燥剤を貼り付けてしまうのです。

ただし、乾燥剤は定期的に交換しなくていけないので忘れないように注意してください。

遺骨を真空パックに入れる

見た目をあまり気にしない場合は『遺骨を真空パックに入れる』という方法もあります。

乾燥した状態の遺骨を真空パックに入れ、さらに真空パック内の空気をできるだけ抜くのです。

これによりパック内が真空状態に近くなり、その後は遺骨が湿気にさらされることがないのでカビも生えません。

もっと言えば、遺骨を細かく『粉骨』することでさらに余分な空気を排出でき、より強い真空状態にできます。

とはいえ、真空パックまで使って遺骨を保管する人はあまりいません。

なので、何が何でも遺骨にカビを生えさせたくない人は真空パックを試してみてください。

すでに遺骨にカビが生えている

読者さんの中には『すでに遺骨にカビが生えてしまっている』という方もいるかもしれませんね。

遺骨にカビが生えてしまった場合、カビをすべて除去することは非常に難しいです。

シロウトの私たちが無理にカビを拭き取ろうとすれば、遺骨の形を崩しかねません。

なので、すでにカビが生えてしまったら、遺骨の洗浄と乾燥をしてくれる専門業者に依頼するしかないでしょう。

しかし、遺骨に付着しているものが全部カビだとは限りません。

もともと遺骨に着いていたものかもしれませんので、まずは専門業者に調べてもらい、それでカビだと判明したら洗浄を依頼しましょう。

まとめ

骨壺の中の遺骨は、管理方法が悪いとカビが生えてしまいます。

骨壺の遺骨にカビが生える理由としては、

  • 骨壺を桐箱から出している
  • 日当たりの良い場所に置いている
  • 骨壺のフタを一度でも開けた
  • 遺骨を素手で触った

などが挙げられます。

これらをふまえて、骨壺の遺骨にカビを生えさせないために、

  • 直射日光に当てない
  • 風通しが良く、湿気の少ない場所に置く
  • 家族がよく通る場所に置く
  • 桐箱に入れて保管する
  • 密閉性の高い骨壺を使用する
  • 骨壺のフタの裏に乾燥材を貼り付ける
  • 遺骨を真空パックに入れる

などの対策をしておくといいでしょう。

遺骨を自宅で保管することは何も問題はありませんが、大切な人の遺骨にカビが生えないよう、家族みんなで注意してあげてくださいね。

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