あなたは手元供養のメリットとデメリットをちゃんと知っていますか?

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「手元供養のメリットデメリット」と書かれた画用紙を持つ女性

大切な人の遺骨は、お墓へ納骨せず自宅に置いておきたいと思いませんか?

自宅に遺骨があると、まだ故人がそこにいるような気がしますよね。

近年では、遺骨を自宅に置いて『手元供養』をする人が増えています。

しかし、手元供養についてあまり理解していないと思わぬトラブルを招くこともあるんです。

そこで、本記事では、現役僧侶の私が手元供養のメリットとデメリットについて詳しく解説しています。

安心して手元供養ができるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ちょっき

はじめて手元供養をする人は必見です!

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手元供養とは

遺骨は必ずお墓へ納骨するというわけではありません。

遺族の気持ちや家の事情などにより『遺骨を自宅に置いておく』というケースも多いです。

遺骨を自宅に置いて供養することを【手元供養(てもとくよう)】といいます。

近年では、お墓を持つことを負担に思ったり、そもそもお墓の必要性を感じないという人が増えており、そのような人が手元供養をしています。

また、遺骨を自宅で保管することは、仏教的にも法的にも問題はないので、手元供養は誰にも文句を言われるものではありません。

ちょっき

大切な人の遺骨をどこへどのように保管するかは遺族の自由です。

でも、手元供養にはメリットだけではなく、当然ながらデメリットもあるんですよね。

ついメリットの方に目が行ってしまいがちですが、ちゃんとデメリットも知っておかないと思わぬトラブルを招くこともあります。

手元供養をするかどうかは、メリットとデメリットの両方をよく検討してから決めてくださいね。

手元供養のメリット

手元供養をする人が増えているということは、それなりに大きなメリットがある証拠です。

手元供養のメリットには、

  • いつも故人を身近に感じていられる
  • お墓を建てる必要がないので経済的負担が減る
  • 供養に関する費用が少ない
  • お墓のある場所が自宅から遠い人には最適

などがあります。

いつも故人を身近に感じていられる

手元供養をする大きなメリットといえば【いつも故人を身近に感じていられる】ということです。

遺骨をお墓に納骨すると、何となく故人が『遠い存在』になったような感覚になります。

でも、自宅に遺骨があれば、いつも故人がそこにいてくれるような気がしますよね。

それに、位牌に手を合わせるよりも故人の遺骨に手を合わせる方が、自分の思いがより直接的に故人へ伝わりそうですよね。

私は僧侶になって25年ですが、手元供養をする人をたくさん見てきました。

ちょっき

あくまで体感ですが、初めて家族が亡くなった家の【30%】くらいは手元供養です。

大切な人を亡くした悲しみは簡単に癒えるものではないので、みなさん「どうしてもまだ遺骨を手放せないんですよねぇ。」と言います。

なので、ずっと故人と一緒にいたい、あるいはちゃんと気持ちの整理がつくまで遺骨を自宅に置いておきたいと考えるのなら手元供養をしましょう。

お墓を建てる必要がないので経済的負担が減る

もしもずっと手元供養をする場合は、お墓を建てる必要がないので経済的な負担が減りますよね。

お墓を建てるには大きなお金が必要で、土地と墓石の両方で200万円~300万円くらいは覚悟しなきゃいけません。

また、お墓を建てるだけではなく、お墓を維持していくことも想像以上に大変なんです。

でも、手元供養にはそれがありませんから、経済的な負担を最小限に抑えることができます。

ただ、私の意見としては、お墓はなくても【お墓に代わるもの】が自宅にあってもいいんじゃないかなと思いますよ。

遺骨を何かの上にポンッと置いてあるだけだと、ちゃんと供養の気持ちを故人に示せているかどうか・・・。

ちょっき

ただ自宅に置いただけでは、遺骨を【放置】しているのと大差ないかと。

手元供養をするなら『小型の仏壇』か『飾り台』などに安置してあげるのが故人への配慮ではないでしょうか。

供養に関する費用が少ない

手元供養であれば、供養に関する費用が少ないこともメリットです。

日本人の多くは【お寺】の敷地内にお墓があり、遺骨はそのお墓へ納骨します。

納骨以後は、お寺から《法事・お盆・お彼岸・その他の仏教行事》などで、なにかと故人の供養をするように求められますので供養に関する費用がかかります。

でも、お寺にお墓を持たず、遺骨を自宅に安置しておけば、供養を求められることはありません。

ちょっき

供養はお寺から強要されて行うものではないですからね。

供養をするかどうかはあなたの気持ち次第なので、供養に関する費用はあなたがコントロールできます。

また、霊園にお墓があれば供養を求められることはありませんが、それでも管理料などの維持費が必要です。

一方で、手元供養なら管理料もないので費用をかなり抑えられます。

お墓のある場所が自宅から遠い人には最適

手元供養は、お墓のある場所が自宅から遠い人には適しています。

自宅からお墓までの距離というのはとても重要で、お墓参りをする気になるかどうかの大きなポイントになります。

もしお墓が遠くにあるとしても、車で数十分くらいの距離なら何とかなりそうですが、新幹線や飛行機を利用しなくちゃいけないレベルの距離だともうダメです。

本当に必要最低限のことだけしかできず、お墓参りに行こうなんて思わなくなります。

お墓参りをしなくなると、だいたいの場合は回忌法要などの【故人の供養】もしなくなります。

ちょっき

移動が大変すぎて『故人のために供養をする』という気持ちが徐々に薄れていくんですね。

だったら、故人の遺骨を自宅に置いておく方がずっといいと思います。

自宅からお墓までの距離が遠い場合は、あなたのためにも、そして故人の供養という意味でも、手元供養が最適です。

手元供養のデメリット

続いて手元供養のデメリットについて解説します。

遺骨の保管はカビに要注意!

あなたの家には、梅雨時などに『カビが発生しやすい部屋』はありませんか?

もしもそんな部屋があるなら、そこには遺骨を置かないでください。

なぜなら、遺骨にもカビが発生する可能性があるからです。

手元供養のデメリットの1つに、遺骨にカビが発生しないように注意しなくてはいけないということがあります。

ちょっき

今までに一度でも骨壺のフタを開けた場合はカビに注意です。

あなたもご存じのように、カビが発生するためには、

  • 温度
  • 湿度
  • 栄養分

が揃うことが条件です。

あなたは、ちょっとだけ骨壺の中を覗いてみたり、場合によっては遺骨に触れたりしませんでしたか?

空気中には見えない菌がたくさんあり、骨壺のフタを開けた瞬間にそれらの菌が中に入るんですよね。

この時点でカビを発生させる準備は整っており、ましてや遺骨に直接触っていればカビの発生確率はさらに上昇します。

あとは、温度と湿度がちょうどいい数値に達したところでカビが発生します。

というわけで、手元供養をする場所は高温多湿を避けることが重要で、できれば、

  • 二階以上の部屋
  • 風通しのよい部屋
  • 家族がよく通る場所

が理想的です。

せっかく自宅に遺骨を置くのですから、大切な人の遺骨にカビを発生させないよう十分にご注意ください。

《参考記事》:【遺骨のカビ対策】骨壺の中の遺骨にはカビが生えるので要注意!

あなたとあなたの家族以外の人にとっては少し怖い

自宅に故人の遺骨があると、何となく故人を身近に感じられて安心しますよね。

しかし、そのように思うのは【あなた】と【あなたの家族】だけであることを理解しておいてください。

部屋に遺骨が置いてあるのは、他の人にとっては少し怖いのです。

ちょっき

もしかすると親戚でさえもそのように思うかもしれませんよ。

ですから、自宅にお客さんが来ることがわかっているのなら、できるだけ遺骨は見えないようにしておくのがマナーです。

もちろん、そのお客さんが故人に手を合わせに来るのなら、そんなことをする必要はありません。

誰の遺骨か分からなくなると、その遺骨を処分できない

もしも《分骨した遺骨》を手元供養するときは、その遺骨が誰のものなのか分かるようにしておきましょう。

事前に家族へ伝えておいたり、骨壺に故人の名前を記載するなど、残された人がすぐに判別できるようにしてください。

誰の遺骨か分からなくなると、残された人はその遺骨を処分できなくなってしまうんですよね。

寺院や霊園などで遺骨を受け入れてもらうには、分骨証明書など【誰の遺骨なのかを証明する書類】が必要です。

しかし、分骨した遺骨が誰のものか分からなければ、分骨証明書などの書類を再発行してもらうこともできません。

そうなると、その遺骨はどこにも納骨されずに行き場を失います。

私は、実際にそのようなケースの相談をされたことがあります。

相談者のお母様が亡くなり、お母様の部屋を整理していたら誰のものか分からない分骨された遺骨が見つかりました。

そして、その遺骨はお母様の内縁関係にあった男性の遺骨である可能性が高かったのです。

しかし、それを証明できる人はおらず、何の書類もないため、結局はその遺骨をどこにも納骨せず、再度自宅で保管することになりました。

分割した遺骨を手元供養する場合は、分骨時に必ず『分骨証明書』を発行してもらい、できれば骨壺のフタの裏にも故人の名前を記載してください。

手元供養をするのは個人の自由ですが、後の人に迷惑をかけないよう配慮をしましょう。

最終的には何らかの方法で納骨や散骨をすることになる

最後は、手元供養のデメリットというか【必要なこと】になります。

手元供養をしても、最終的には遺骨を何らかの方法で納骨や散骨することになるんですよね。

手元供養でよくあるのは、遺骨を管理している人が亡くなった後に【他の誰も遺骨を管理できない】というケース。

そうなると、『遺骨の処分』という問題が出てきます。

手元供養は、お墓とは違って【代々にわたり自宅で供養する】というわけにはいきませんよね。

ちょっき

やろうと思えばできますが、あまり現実的ではありません。

先ほども紹介した『墓地、埋葬等に関する法律』で定められているように、遺骨は決まった場所以外に納骨をすることができません。

そのため、遺骨を庭に埋葬することはできませんし、勝手に海や川へ流したり、ましてやどこかへ投棄するわけにもいきません。

手元供養をしていて、遺骨を管理している人が亡くなったら、その遺骨はどこかのお墓に納骨するか、手続きをしてから散骨する必要があります。

一時的には遺骨が自宅にあっても、いずれは然るべき対応をしなければいけないことをご了承ください。

※近年では海洋散骨をする人が増えています。興味のある方はコチラの記事を読んでみてください。

【海洋散骨ガイド】散骨までの流れや費用など海洋散骨の全容を解説

まとめ

遺骨はお墓に納骨しなくても問題ありません。

大切な人の遺骨をすぐにお墓へ納めてしまうのは何だか抵抗がありますよね。

また、そもそもお墓に納骨すること自体を考えていないという場合もあるでしょう。

遺骨をお墓へ納骨しない場合は、自宅で『手元供養』をすれば大丈夫です。

手元供養は、宗教的にも法的にも問題はありません。

ただし、手元供養にはメリットだけでなくデメリットもあるので、それさえわかっていれば、あとはあなたの自由です。

遺骨を自宅に置いて毎日手を合わせてあげるだけでも供養になります。

手元供養を望むのであれば、遺骨をちゃんとお祀りし、心を込めて供養をしてあげてくださいね。

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