お墓が不要な人は必見!散骨できる場所と注意点を僧侶が教えます

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散骨できる場所

散骨できる場所はどこですか?

ちょっき

それなりに制限はありますが、散骨できる場所をいくつか紹介しますね。

近年では、遺骨をお墓の中へ納めず、【散骨】を希望する人が増えています。

散骨はいろんな場所で行えますが、どこでも好きな場所で散骨できるわけではなく、ある程度の条件やマナーがあります。

本記事では【散骨できる場所】を紹介していますので、散骨をするときのご参考になさってください。

こんな人向けの内容です
  • 故人の意向で散骨をしてあげたい。
  • 散骨できる場所を知りたい。
ちょっと自己紹介

この記事を書いている私『ちょっき』は僧侶になって25年です。僧侶としての経験や視点をふまえて海洋散骨に関する情報を発信しています。

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散骨は法的に問題ない

散骨する場所を探すにあたり、そもそも【散骨しても法的に問題がないのか】が気になりますよね。

結論を言うと、散骨は違法ではありません。

というのも、現在のところ散骨に関する法律が定められていないのです。

法律で定められていない以上は、散骨をしても問題はないわけです。

《関連記事》:海洋散骨は違法じゃない。散骨のルールや自治体の条例を紹介

遺骨に関する法律

遺骨の取り扱いについては、基本的に『墓地、埋葬等に関する法律』で定められています。

しかし、この法律では《埋葬》や《焼骨の埋蔵》については言及されているものの、散骨については記載がありません。

そのため、散骨には『墓地、埋葬等に関する法律』が適用されないのです。

また、遺骨について触れている法律には、もう1つ『刑法第190条』があり、この法律では「遺骨を壊したり捨てたりしてはいけません」と言っています。

散骨をするときには遺骨を粉砕しますが、これは刑法第190条に抵触するのでしょうか。

じつは、『弔(とむら)い』を目的とした散骨の場合は遺骨を粉砕しても刑法190条は適用されません。

そして、刑法第190条では、遺骨を捨てる(遺棄する)ことは【遺骨遺棄罪】になりますが、『弔い』として遺骨を海へまくのであれば遺骨遺棄罪に該当しないのです。

このように、節度のある『弔い』を目的とした散骨であれば法規制の対象外となります。

散骨するときは必ず遺骨を粉砕する

散骨する場合は、必ず遺骨を粉砕しなくてはいけません。

粉砕の目安は、だいたい【2mm以下】となっています。

これは法律に定められているのではなく、散骨業界での最低限のマナーとして決まっているものです。

遺骨を粉砕せずにそのまま散骨すると、後になって誰かが遺骨を見つけた場合、その人はとても驚き恐怖を感じることでしょう。

そして、人によっては警察に通報するかもしれません。

そのため、見た目で人骨だと判別できないように、最低でも2mm以下に粉砕することが最低限のマナーとなっています。

遺骨はまくだけ、埋めてはいけない

散骨に関して大事な注意点があります。

散骨をするときは、遺骨を埋めてはいけません。

遺骨は【まく】だけにしてください。

墓域としての許可を得ていない場所に遺骨を埋めると『墓地、埋葬等に関する法律』に抵触します。

ですから、山などに散骨したい場合は、粉砕した遺骨を地面に【まく】だけにしましょう。

散骨できる場所

節度のある『弔い』を目的とした散骨であれば、いろんな場所で行えます。

ただし、どこでも散骨できるわけではないので、注意点をふまえて【散骨できる場所】を紹介します。

まず、散骨する場所として多くの人に選ばれているのは【海】です。

要するに『海洋散骨』ですね。

海というのは《生命を誕生させた場所》です。

海に散骨をすることで、すべての生命の母となる場所に遺骨を帰してあげられます。

しかし、海に散骨するときには『近隣住民』や『地元の漁業関係者』に対する配慮が必要です。

なので、海へ散骨するときには、陸から見えないくらい沖まで出てから行うことになります。

もしも、どこかの岸や浜から散骨しているのを誰かが見ていたら、最悪の場合は損害賠償請求が来るかもしれません。

海洋散骨をするときには必ず専門業者へ依頼して、トラブルのないように散骨をしましょう。

散骨は【川】でも行えますが、それはあくまで《法的には問題ない》というだけのことで、実際に散骨をするのは極めて困難でしょう。

川の水は、

  • 生活用水
  • 農業用水
  • 工業用水

などに使用されます。

ですから、川付近の住民、農家、企業にとって川の水はとても大事な資源なのです。

そんな川の中へ散骨をすると、大勢の人に迷惑をかけるのは必至。

しかも、遺骨は水に溶けにくく、ずっと水中に残ってしまうため、それを不快に思う人も多いはずです。

「少しだけならいいよね。」と勝手に散骨をしてしまうと、後になって大きな代償が来るかもしれません。

また、散骨業者でも《川への散骨》には対応していないところがほとんどです。

なので、法的には問題がなくても、現実的には川への散骨は不可能といってよいでしょう。

散骨は【山】でも行えます。

山へ散骨することを『山林散骨』と呼びますが、ある程度の制限やマナーがあるので注意が必要です。

まず、山には所有者がいるので、所有者の許可なしでは散骨ができません。

また、山の所有者から許可が得られたとしても、水源近くでの散骨は控えた方がいいでしょう。

水源近くで散骨すると、近隣住民に不快な思いをさせてしまい、トラブルになりかねません。

山林散骨をするときは、散骨業者へ依頼して、節度をもって散骨しましょう。

散骨は【空】にもできます。

空への散骨には、

  • 空中散骨
  • バルーン散骨
  • 宇宙葬

があります。

まず、空中散骨というのは、小型飛行機やヘリコプターをチャーターして上空から散骨するものです。

小型飛行機やヘリコプターをチャーターするということは、散骨に立ち会える人数が限られますし、当日の天候にも大きく影響されます。

バルーン散骨というのは、その名のとおり遺骨を納めた風船を飛ばすものです。

遺骨の入った風船は、成層圏まで到達すると破裂するので、そこで自然に散骨されます。

そして、宇宙葬というのは、少量の遺骨が入ったカプセルをロケットに乗せて打ち上げるものです。

ただし、現在のところ宇宙葬を取り扱う業者は少なく、また、散骨費用が非常に高額となります。

条例により散骨できないところもある

散骨は、条例によって禁止されている自治体があります。

現在のところ、散骨を禁止している自治体は少ないですが、今後は増えていく可能性もあります。

散骨したい場合は、業者または各自治体へ事前に確認をしておきましょう。

散骨をするなら海洋散骨が無難

散骨できる場所はいくつかありますが、1番人気があるのは【海洋散骨】です。

というか、散骨するのに最も現実的なのが海洋散骨であるため、必然的に1番人気になるんですよね。

海洋散骨なら、

  • 費用が比較的お手頃である
  • 他の場所よりも散骨しやすい(=現実的)
  • 海洋散骨を取り扱う業者が多い

というメリットがあります。

1番人気ということは、それだけ海洋散骨の経験者が多いので、たくさんの情報があります。

たくさんの情報があるということは、判断材料が多くしっかりと比較検討できるため、散骨をして後悔することも少ないです。

また、海洋散骨は人気があるので、当然ながら海洋散骨を取り扱う業者も多くなります。

そうすると、業者同士の競争が生まれ、結果的に費用が安くなり、サービスも良くなっていきます。

このような理由から、散骨をするなら『海洋散骨』が無難です。

海洋散骨をするときは、大手の葬儀社へ依頼するか、またはインターネットで散骨業者を探して依頼しましょう。

まとめ

散骨をすることは、ちゃんと『弔い』を目的としていれば法的に何の問題もありません。

そのため、ある程度の制限やマナーを守っていれば、

  • 川(実際はほぼ不可能)

などの場所で行えます。

これらの中で1番現実的な散骨場所は【海】であり、多くの人が海洋散骨を選んでいます。

海洋散骨なら、

  • 費用が比較的お手頃である
  • 他の場所よりも散骨しやすい(=現実的)
  • 海洋散骨を取り扱う業者が多い

というメリットがあります。

海の面積は地球の約70%ですから、海洋散骨をすることで広大なお墓ができたようなものです。

散骨をするなら、まず【海洋散骨】を検討してみてはいかがでしょうか?

※乗船して海洋散骨をしたい方はこちらの業者のウェブサイトを覗いてみてください。

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