
お葬式はしないとダメですか?



お葬式をするかどうかは遺族の自由ですよ。
近頃は『お葬式なんかしなくていい』という人が増えてきました。
でも、そのような人は「もしもお葬式をしなかったら故人は成仏できないのかな?」と心配をします。
結論を言うと、お葬式をしないと故人は成仏できません。
お葬式をしないと成仏できない理由が気になる方は最後まで読んでみてください。
- 『お葬式をしないと故人はどうなるのか』が分かります
- 『お葬式をしない場合はどうすればいいのか』が分かります
この記事を書いている私『ちょっき』は僧侶になって25年です。僧侶としての経験や視点をふまえて海洋散骨に関する情報を発信しています。
お葬式をしないとどうなるの?
あなたは「お葬式なんかしなくてもいいんじゃないの?」と考えていますか?
お葬式をするかどうかは遺族の自由なので、無理にお葬式をすることはありませんよ。
お葬式をしなくても法的に問題はない
お葬式をすることは遺族の義務ではありません。
お葬式をしなくても法的に問題はないのでご安心ください。
私たち日本人は、日本国憲法の第20条で【信教の自由】が保障されており、どんな宗教を信仰しようと自由です。
そして、お葬式というのは『宗教的な行為』です。
ということは、お葬式をするかどうかは《遺族の気持ち》で自由に決められます。
何らかの事情でお葬式をしないのであれば、それでもOK。反対に「最後は丁寧に送り出してあげたい」とお葬式をするのもOK。
いずれにしても、後悔のないようによく考えて、家族でしっかりと話し合ってから決めてくださいね。
お葬式をしないと故人は成仏できない
お葬式をするかどうかは遺族の自由ですが、きっと「お葬式をしないと故人は成仏できないのかな?」と心配になりますよね?
そのとおりです、お葬式をしないと故人は成仏できません。
お葬式は、故人に成仏してもらうために執り行います。
お葬式をすることで、故人を仏様に託したり、故人に仏弟子となってもらい、その結果として故人は成仏するわけです。
ですから、お葬式をしないのであれば、故人が成仏することはありません。
では、成仏をしないのなら、故人は一体どうなるのかというと、『無』になります。
仏にもなりません、他のものにもなりません、亡くなることで『無』となり、私たちの前からいなくなります。
故人を成仏させず『無』にしてあげる、それがお葬式をしないということです。
『成仏』という【死後の世界観】は仏教だけのもの
誤解をしている人が多いのですが、亡くなった人みんなが成仏する必要はないですよ。
そもそも、『成仏』という【死後の世界観】は仏教だけのものなんですよね。
【死後の世界観】というのは宗教ごとに違います。
他の宗教には『成仏』という概念がなく、それぞれの宗教ごとに【死後の世界観】に従ってお葬式をしています。
『成仏』という【死後の世界観】は仏教だけのものですから、仏教を信仰していなければ、成仏にこだわる必要もないんですよね。
ですから、もしもあなたが何の宗教も信仰していないなら、どんな【死後の世界観】も関係ないので、『成仏』のことを心配するのは無意味です。
お葬式をしない場合はどうするの?
お葬式をしないと決めた場合、遺族は何をすればいいのでしょうか。
お葬式をしない場合に遺族がすることは、
- 火葬だけ(直葬)をする
- 家族が1人いなくなったことを受け入れる
これだけです。
お葬式の有無にかかわらず、人が亡くなったら必ず火葬をしなくてはいけません。
お葬式をせずに火葬だけを行うことを『直葬(ちょくそう)』といいます。
直葬であれば、お葬式をしない分だけ体力的、精神的、金銭的な負担が減らせるので、近年では急増しています。
無事に火葬が終わったら、あとは『家族が1人いなくなったこと』をゆっくりと受け入れましょう。
もしかすると、お葬式ではなく【お別れ会】みたいなものをしたくなるかもしれません。
しかし、誰かを招いてしまうと何らかの《御礼》をしなくてはいけません。
お葬式をしない理由として1番多いのは『お金をかけたくない』です。
宗教にこだわりがなく、お金もかけたくないなら、【お葬式】も【お別れ会】をしない方がいいと思います。
【関連記事】:お葬式はしない!直葬が選ばれる理由と、その後のトラブル事例を紹介
まとめ
お葬式が不要だと思うなら、無理にお葬式をしなくてかまいません。
お葬式をしなくても法的に問題はありませんし、お葬式をするかどうかは遺族の気持ち次第、つまり自由です。
また、お葬式は故人に成仏してもらうために執り行うものなので、お葬式をしないと故人は『成仏』できません。
しかし、『成仏』というのは仏教だけの【死後の世界観】なので、仏教を信仰していないのであれば、『成仏』の心配をしても意味がないのです。
お葬式をするかどうかは自由ですが、あなただけの判断ではなく、家族みんなでよく話し合って決めてくださいね。
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